素敵な徳之島で揺るぎない生活をこれからのしあわせのカタチ

モスク・クリエイションの挑戦/うみかぜ総合法務事務所(司法書士・行政書士・社労士)

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モスク・クリエイションの挑戦

 

モスク・クリエイションの挑戦

 

 株式会社モスク・クリエイションは,近藤恵一氏を代表とする,ウェブサイト及びコンテンツの企画・コンサルティング及び制作を行うデザイン会社である。東京赤坂に本店(東京ベース),そして富士山のふもと静岡に支店(富士山ベース)を置く同社は,昨年9月に徳之島ベース(伊仙町)を始動させた。

 

モスク・クリエイションHPより

 

 

―徳之島ベースが目指しているもの

 

 株式会社モスク・クリエイション(以下「モスク」という。)の新規開拓課,佐野舞子氏が弊所を訪ねてきたのは,9月中旬。まだ残暑が厳しいなか,モスクの会社案内を手に挨拶に来られたのだ。雰囲気は都会の人。聞けば,東京でデザイン制作を行っている会社だという。島にデザイン制作会社がやってきた! 私は,驚きと興味とが混じり合った気持ちで,モスクの会社案内に目を通していた。奄美大島を飛び越えて,東京や大阪への直行便のないこの徳之島に進出してくる企業はめずらしい。

 

 なぜデザイン制作会社に反応したかというと,現在弊所は法律家を目指す人材を島内外に求めていて,徳之島の美しさや法律職の魅力を伝えることを意識していたからだ。私は弊所のリクルートや広報に関わる一人。どんな会社なのだろう? なぜ伊仙町に? いろんなことを知りたくて,改めて佐野氏にお話を伺う機会をいただいた。

 

 大きなガジュマルの木と広大なコバルトブルーの美ら海。誰もが羨む絶景を独り占めできる場所に,モスクの徳之島ベースがある。事務所内は,東京,静岡の各ベースにモニターを設置しており,映像がリアルタイムで流れている。徳之島と各ベースとの「距離」を感じさせない工夫がされていた。

 

 佐野氏に徳之島ベースが目指しているものを伺うと,宣伝広告という未開拓の分野を通し,徳之島の魅力を島外に発信していき,徳之島の発展に繋げていきたいと答えてくれた。そして,徳之島の魅力の一つとして「島の人間性」を挙げてくれた。

 

 彼女がそう感じるようになったのは,島に昔からある「結」という言葉に出会ったからだそうだ。「結」は,人と人が助け合い,人との繋がりを大切にするという意味の言葉だ。彼女は,徳之島ベースの始動直後から自ら地域のコミュニティに飛び込み,地域の運動会などの集会や行事に参加し,積極的に島の方々との交流を深めてきた。そのなかで,人と人との結びつき「結」を強く意識し,魅力を感じたのだという。

 

 普段の生活のおいても,親しくなった人から,採れたての果物や野菜のお裾分けを頂いたり,地元の人から教わったシークワーサー絞りの黒糖焼酎を愛飲したりするなど,人とのつながりがある島暮らしを心から楽しんでいる様子が彼女の生き生きとした表情から伝わってきた。想像していた以上にスーパーやドラッグストア等があり,離島であるがゆえの生活上の不便さ,品物の少なさを感じることはないようだ。

 

 佐野氏は,どのようにしたら徳之島を島外に発信していけるか,徳之島三町の企業や役場を訪ね,モスクが活動できる場を肌感覚でつかもうとしている。彼女は笑顔でこう語ってくれた。

 「今後の事業展開としては,まずは徳之島を拠点としてしっかりと広告分野の土台を固め,ゆくゆくは奄美群島にまで拡張していきたい。徳之島は,島のグランドデザインや本土へ向けてのPRの仕方にまだまだ工夫の余地があると思う。そこで,まずは,地元の人と協力し,観光客に受け入れてもらえるような徳之島の魅力を発信していきたい。そして,将来的にはUターン者や移住してくる人が増えたらいいですよね」

 

 

―島が持つチカラってなんだろう~理屈を超え,あるがまま,島に向き合う

 

 今回,佐野氏へのインタビューを通して,彼女が肌で感じ,発信しようとしているもののなかに,自分が探し求めていたもの,ずっとわだかまっている「何か」の正体があるのではないかと思った。

 

 私は15歳で島を出て,36歳で徳之島に帰ってきた。すでに都会暮らしの方が長い。都会暮らしは性に合っており,郷里には一切未練などないはずだったが,30歳を過ぎたあたりから,少しずつ自分の中にある「何か」が自分に語りかけてくるような感覚があった。振り返ると,15歳で島を出てから,私は少し性格が暗くなった気がする。都会暮らしに順応するため,知らず知らずのうちに自らを分厚いカバーで覆いつくしていたのかもしれない。「これが自分だ」,「もう都会の人間だから」と自分に言い聞かせながら生活をしていたわけだが,ずっと押し殺していた「何か」が,歳を重ねるにつれてどんどん大きくなっていき,とうとう自分を誤魔化すことができなくなった。「素直な自分に戻れる場所はここじゃない」―そう思った時,私は生まれ育った徳之島に帰ることにした。

 

 佐野氏は,徳之島の風土,地元の住民の日々の生活にスポットを当てて,ここでしか得ることのできない「何か」に触れ,それを発信することで,徳之島にまだ縁のない人たちに魅力を伝え,興味を持ってもらいたいと考えている。正直,地元の人間である私以上に島の魅力の深い部分に触れていて,何より,ストレートに「良い」と感じたものを,自信をもって全国,そして全世界に向けて発信しようとしている。島外から来た佐野氏のエネルギーに圧倒され,「島の本質」のようなものを改めて突き付けられたような気がした。

 

 徳之島の良い部分ってなんだろう? 大人になった今,感じるのは目の前の「何気ない日常」だ。のんびりした自然のなかで,朝起きて,仕事をし,買い物をして,家に帰る。ごく当たり前の日々に,顔の見える人たちとの関わり合いがあり,都会で暮らしていたときのような群衆に埋もれていく感覚はない。ただそこで暮らすことで全身の細胞一つ一つが活気づき,自分自身の輪郭がくっきりと形作られる。私は,現在の暮らしにとても満足しているし,思い切って戻ってきてよかったと思っている。

 

 

私たちの自然体な生き方は

理屈を超え あるがまま 

クリエイティブの可能性を

南の島でスタートします

 

 

 これは,佐野氏からいただいたモスクの会社案内に入っていたウチワに書かれていた言葉である。豊かな自然のなかで仕事をし,顔の見える人たちと生活する。この「何気ない日常」が,「自然体な生き方」そのものであり,島の持つチカラなのかもしれない。このモスクの言葉は,「感じることの大切さ,そこから新しい価値は生まれるのだ」と前向きな響きがあり,ワクワクする。「何気ない島の日常」こそ,島の魅力となる可能性がある。

 

 たしかに,今の徳之島はアクセスには恵まれていない。観光スポットと呼べるようなものも乏しい。徳之島に帰島し2年半経つが,徳之島に何があるのかと問われると考え込んでしまう。徳之島の良さを感じてはいるが,「ほら,徳之島って素晴らしいでしょ」と自ら表現することは苦手だ。それに日常の生活を表現することは難しい。島外の人から褒められることはうれしいが,自ら良いことばかり言うのは抵抗がある。そのような島気質の私たちにとっては,「何気ない島の日常」を発展させ,島外で暮らす人たちにどう伝えていくのか,大きな課題だ。

 

 しかし,徳之島の人口が2万人を切る事態が迫っている。今やるべきことは,このモスクの挑戦を,人口減少に歯止めをかけたい徳之島三町の挑戦,人材確保に悩む企業・法人の挑戦そのものに変えていくことだ。まずは,グランドデザインやブランディングについて知り,学ぼう。理念や希望をデザインやコンテンツにしていこう。心配ご無用,デザインのプロ集団がすでに伊仙町にいるのだ。

 

うみかぜ総合法務事務所 森 有義

 

*島と私自身のことを考えるきっかけを与えてくれた佐野氏に感謝いたします。

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