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うみかぜ総合法務事務所(司法書士・行政書士・社労士)

新人司法書士がとるべきは,収入か,それとも・・/鹿児島奄美(徳之島・奄美大島・沖永良部島・与論島) の法律相談・登記・相続手続き・会社設立

新人司法書士がとるべきは,収入か,それとも・・

お知らせ

 

11月1日,平成29年度司法書士試験の合格発表がありました。

本年の合格者のみなさまへ
合格おめでとうございます。

 

さて,都会(関東・関西)の方は,すでに就職活動をなさっているとのことでしたので,急ぎ記事を書きました。

 

先日ある予備校の合格者向けの就職・開業セミナーの動画を拝聴し, なるほど!と腑に落ちたフレーズがありました。

 

A:「幅広く司法書士業務を学べる事務所に勤務したい」

B:「高収入・福利厚生が充実している司法書士事務所がいい」

 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓

A&Bを満たす求人は少なく,多くはAorBであるということ!!

 

そもそも,司法書士事務所自体の売り上げを伸ばすためには

・イレギュラーな事件を少なく

・ルーティーンな業務を多く獲得し続ける努力を怠らない

結果として

・受託事件の回転率は上がり,債権回収が進む

・スタッフに対する指導に時間を費やすことや福利厚生の充実に余剰資金が回ります

・求人は当然「高収入・福利厚生充実」を表明できます。

個人的には不動産登記中心の事務所が思い浮かびます。

 

一方で

後見や裁判事務などイレギュラー案件(成年後見・簡裁訴訟代理・裁判書類作成など)が多い事務所はというと

・受託事件解決までに,多大な労力・時間を費やす

・報酬に見合わない仕事となることも少なくない

結果として

・「高収入」等の求人にはなりづらい

・熱意や目的がある人に対する限定的な求人になりやすい

 

合格したばかりの新人の方々が勤務先を検討する際,悩みどころですね。

優先順位が難しい・・・

 

「安定・収入」

「法律家としての幅広い知識と経験値」

新人の方々に訴えていますが, 開業司法書士の日々はどうだと思いますか?

 

新人の方々とそうはかわらない選択を毎日悶々としています。

 

経営するということは,一定の売り上げが必要です。

それはルーティーンな安定収入業務をいただき続けること。

でもそれと同じくらいイレギュラーな業務を受けて, 苦悩の日々を積み上げていないといけない。

 

今の世の中,「必要とされない仕事となってしまうのではないか」という恐怖と戦っているのです。

 

さて,恒常的にルーティーンな仕事を手に入れる努力はとても大変です。 開業してみたらそれはすぐに理解できます。

大きな仕事や,安定的に仕事が回ってくる道の上にいなくてはなりません。

そしてすでに誰かがそこに存在します。

 

そしてイレギュラーな業務(成年後見・簡裁訴訟代理・裁判書類作成など)を引き受けるためには,問題解決能力を養う必要があります。

 

その依頼にこたえるために,自ら事実を細分化・深化させ,状況把握し,的確にニーズを発見・把握する必要があります。

 

どちらも必要な業務で,バランスが必要だと考えています。

 

当事務所が目指している黄金比は

ルーティーン7~8割・イレギュラー2~3割

 

少しだけ先輩風吹かしていうと, 「幅広く学ぶ」と「安定(高)収入」は同じ事務所のなかで,バランスよく共存しないもの。

 

私も共存すべく努力しているところですが,道半ば。

 

あえて,言うなら,新人司法書士の方には,せっかく試験勉強で培った柔軟な思考を,是非「法的判断力」を磨くために,「今」活用してほしいのです。

 

「リーガルマインド」を自ら育む。

 

法的センス・感覚を磨く。

 

依頼者からの相談,関係省庁への対応,近隣自治体からの依頼,裁判書類の作成,NPOの会議,すべてにおいて役立ちます。

 

「リーガルマインド」は知識ではなく,判断センス

 

一生ものの「リーガルマインド」を身に着けられる勤務先を是非ご自分の目で見て選んでください。

 

司法書士 柏村考兵